Day1:「壱岐のインフラを自分事として考え、それを共有しディスカッションする」
初日の9/10(火)はガイダンスを中心に、統合デザイン研究所によるインフラやMEToA Ginzaの紹介、学生版 from VOICEの活用方法を説明しました。
グループディスカッションでは、学生から集めた壱岐島の暮らしに思うことや統合デザイン研究所による壱岐をテーマにした疑問「VOICE」への意見や感想を出し合いました。
Day2:「明るい未来の壱岐島の暮らしを妄想するための入り口を探す」
9/17(火)は統合デザイン研究所からデザインについての概要説明の後、スぺキュラティヴ・デザイン(Speculative Design)を紹介しました。三菱電機と九州大学の学生が共同研究の中で制作した動画3本を通して、グループでのディスカッションを深めました。
次回からは、今回のDay1とDay2を通して気になったVOICEを選び、今後の探究学習で深堀したい内容を各自で決めていきます。
参加者の感想コメント
三菱電機 統合デザイン研究所 産業システムデザイン部 産業HMIデザイングループから
今回は統合デザイン研究所のメンバーと九州大学の学生で壱岐高等学校での「総合的な探究の時間」へ2週にわたって参加させていただきました。これからの未来を選択する1学年の皆さんと、生活に必要不可欠な身近なインフラに関する素朴な疑問や、壱岐の未来のインフラについて話し合うことができました。人口減少社会における未来のインフラ像を描いていく私たちにも学びの多い時間となりました。壱岐高等学校の先生方をはじめ多くの関係者の皆さまには活動のサポートをいただき、誠にありがとうございました。(グループマネージャー 関野修佑)
「壱岐高校×九大×三菱電機のコラボレーション」「高校の探究学習でスペキュラティヴ・デザインを実践」という点でチャレンジングな取り組みとなりましたが、壱岐高校の皆さんをはじめ多くの関係者の皆さんのご協力により、2週にわたって探究学習を実施できましたこと、心より感謝申し上げます。少子高齢化・インフラの維持の問題において、本島や都市部の先をいく離島で、未来を生きていく高校生の皆さんと、インフラという切り口から「明るい未来の暮らし」を一緒に考える取り組みを実施できたことは、私たちにとってもとても貴重な機会となりました。(田中 日菜子)
長崎県立壱岐高等学校から
総合的な探究の時間の活動で取り扱われるテーマとして、壱岐高校ではどうしても「観光」が多く、毎年偏ったものになってしまう傾向にあります。しかし、今回のプログラムは文系、理系といった分野に囚われず、新たな視点で「常識」を考え直し、どんどんアイディアを出していくという形式だったため、生徒たちは非常にワクワクしながら考えを広げていました。講師の話をしっかり聞く姿、講師からの投げかけに楽しそうに手を挙げる姿など、生徒の反応が思った以上に良くて本校職員も驚きました。たくさんの大人と関わり、意見を交わすという貴重な機会をいただき、生徒たちがとても嬉しそうだったのが印象的でした。総合的な探究の時間では初めての企業との連携授業でしたが、これまで考えもしなかったことに思いを巡らせた生徒たちの今後の探究活動がどのようなものになるか、とても楽しみです。ぜひ!来年度もご協力いただけたら嬉しいです。ありがとうございました。
(岳野輝生先生)
今回の授業で、普通の見方ではなく別の見方から探究することが新しく、面白かったです。すでに、次回以降探究していきたいテーマを選びました。自由にアイディアを出しながら、楽しんで活動していきます。ありがとうございました。(土肥ののかさん)
スぺキュラティヴ・デザイン(Speculative Design)とは
スペキュラティブ(Speculative)とは英語で「思索的な」「推論的な」「熟考する」などを意味する言葉です。スペキュラティヴ・デザインは、2010年頃、当時イギリスの王立芸術大学院(Royal College of Art)で教鞭をとっていたアンソニー・ダンとフィオナ・レイビーによって提唱されました。
世界の動向や先端技術に基づいた「あるかもしれない」未来のシナリオをプロトタイプや映像で提示し、今この世界について議論・思索する機会をもたらす考え方です。
出典: 「スペキュラティヴ・デザイン」のPPP図を一部改変