イベントレポート

イベントレポート

共創ライブ #4 特別編 スペシャルワークショップ
『カードゲームで発見!SDGsのココロ』 Feat.すなばコーポレーション

2022年8月27日(土)

最近よく聞くSDGsという言葉。「何となく知ってはいるけど、よくわからない」という方も多いのではないでしょうか。「共創ライブ#4 特別編」では、そんなSDGsを楽しく学べるスペシャルワークショップを開催。今回共創するすなばコーポレーションさんのSDGsカードゲーム『Get The Point』を使って、SDGsを知り、行動を変えることで、自分たちの未来がどう変化するのかを参加者全員で考えるというものです。真面目なテーマでありながらも、会場は始終お子さんたちの元気な声と笑顔で大盛り上がり。大人も子どもも一緒になって遊んだ、楽しい1日の様子をレポートします。

SDGsをゲームで体験するスペシャルワークショップを開催

SDGsとは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称です。世界を変えるための目標として17のゴールが設定され、三菱電機グループでもその達成に向けたさまざまな施策を行っています。実は、METoA Ginzaで開催中の「そだてるタウン」も大切な取り組みのひとつ。なかでもSDGsそのものに真正面から向き合ったのが、今回のスペシャルワークショップです。

ワークショップは3回に分けて開催。どの回もお子さんから大人の方まで多くの方にお集まりいただきました。会場には4人掛けのテーブルが7セット用意され、ご参加者はそれぞれ別のテーブルへ。同行されたご家族やご友人とは異なるチームに入ることで、新たな仲間との共創を楽しんでいただこうという仕掛けです。

テーブルの上にあるのは、色とりどりのカードとボードで構成された、SDGsカードゲーム『Get The Point』。開発者である、すなばコーポレーション株式会社代表取締役の門川良平さんが、ゲームの進行役とワークショップの講師を務めます。まずは門川さんの呼びかけに従って、チーム内での自己紹介からスタート。早くも会場中ににぎやかな声が飛び交います。

『Get The Point』は、4人で1チームを作り、作成したアイテムに応じてポイント数を競うシンプルなゲームです。今回作成するのは、「家」「車」「家電」「シャツ」「サラダ」など暮らしに関連した11アイテム。これらを作るためには、材料となる「資源」が必要です。

「さて、資源とは何でしょう」と門川さんが問いかけると、「何かを作る材料!」「リサイクルできるもの!」とお子さんたちが元気に回答。会場も拍手で賛同します。『Get The Point』では、「鉄」「レアメタル」「化石燃料」「木材」「動物/海産物」「植物」の6種類の資源カードを組み合わせて、欲しいアイテムカードを手に入れることができます。

ここからは、実際のゲームの流れを追いながら、みなさんの様子をご紹介していきましょう。

資源には、回復できるものとできないものがある

『Get The Point』は、ルールを変えて2回行います。1ゲーム目のルールは、1人ずつ順番に好きなアイテムを作成し、資源カードを使い切ったらゲーム終了。チーム4人の中で一番多くポイントをゲットした人が優勝です。

あるテーブルでは、最初に女の子(小学生)が「車」を作成。次に大人の男性が「家」を作りました。

どちらも高ポイントのアイテムですが、車を作るには「化石燃料」「レアメタル」「鉄」、家を作るには「鉄」と「木材(3枚)」が必要です。作ったアイテムカードは自分の手元に、使い終わった資源カードはいったん資源置き場に移動します。そうして4人全員が行動を終えた頃には、各8枚ずつあった資源カードも残りわずかになってしまいました。

「資源は使えばなくなります。でもこのゲームでは、1周ごとに回復できる資源もあります。どれだかわかりますか」と門川さん。よく見ると、6つの資源カードはグリーンとオレンジの2種類のボードに分けて並んでいます。

その違いを、「生きているものと生きていないもの」と中学生の男子が指摘。「植物や動物など生きているものは、自然に回復する!」と、みごと答えにたどり着きました。つまり、鉄やレアメタル、化石燃料を除いた自然資源は、一定量回復しながら次の周に進めるわけです。

それでも6~7周するとやがて資源は枯渇し、各テーブルともゲーム終了。チームごとに点数計算をして、優勝者を称えました。当然ながら、得点の高い「家」や「車」を早くたくさん作った人が優勝です。でも、何かが引っかかります。

「資源ボートにはもう何も残っていません。もしこれが現実世界だったら?」──門川さんのその問いかけに、会場の空気が変わります。「資源がないともう終わりだよ」「地球滅亡だ!」という声も聞こえてきました。そう、1ゲーム目のルールでみなさんが体験したのは、「奪い合い競争する世界」。誰かが得をするけど、他の誰かや地球にはやさしくない行動をしていたのです。

「でもゲームならやり直せます。時間を巻き戻して、もう一度新しいルールでやってみましょう」──こうしてようやく始まったのが、「世界を持続させるために協力する」真のSDGsカードゲームです。

一人で勝つより、みんなが豊かになれる世界へ

2ゲーム目のルールは、1人の優勝者を出す1ゲーム目とは違い、「10周終わった時点で、4人の合計ポイントが最も多いチーム」が優勝するというもの。同点の場合は、残っている資源の種類や枚数に応じて勝敗を決めます。効率よくアイテムをゲットしながら、できるだけ多くの資源を残すのがポイントです。

新ルールに則り、今度はチームで相談しながら作るアイテムを慎重に決めていきます。でも、追加されたルールはこれだけではありません。1周終わるごとに、「クライシス」または「サステナブル」が発現し、次の周の進め方に大きく影響するという仕掛けが用意されていたのです。

ある回では、2周目に「クライシス」が発動。世界の危機です。危機の内訳は、「異常気象」「森林破壊」「乱獲」「石油危機」「鉄価格高騰」「資源囲い込み」の6種類。引き当てたカードによって、例えば「石油危機」なら「化石燃料を使うとき、通常の2倍の枚数が必要」といったペナルティが設けられます。

その危機も、3周目の「サステナブル」で一転。こちらは「分別」「リサイクル」「省資源活動」「自然エネルギー」「バイオマス」「省エネ家電の進化」の6種類。「リサイクル」ではレアメタルと鉄を1枚ずつ回復でき、「分別」では使用済み資源カードを分けてキレイに並べることで、ゲーム終了時に100ポイント加算されます。

「クライシス」や「サステナブル」はいつ発動するかわかりません。万一に備えて、「もっと資源を節約しよう」「できるだけ多く回復しておこう」と一人ひとりの行動も変化。すべてのチームが無事10周を終えた時点でも、まだまだ多くの資源が残されていました。

結果、この回では2万500点という高ポイントで男女混成の中学生チームが優勝。他のチームも1万8000点以上を獲得していました。実は1ゲーム目のルールでは、チーム全員のポイントを合計しても1万1000~2000点止まり。一人で勝つより、みんなで協力したほうがポイントを多くゲットでき、資源も枯渇しないことがわかりました。

SDGsとは行動を変え、よりよい未来をつくるための約束

「1ゲーム目と2ゲーム目では、何が変わったのでしょうか」と門川さん。ここからはディスカッションタイムです。

あるチームは「チームで協力して使う資源を減らすようにした」と回答し、別の大人チームは「限りある資源を残す方向で進めていきました」と発表。勝利条件が変わったことで、目標も自然と変化していったようです。

「目標が変われば、行動も変わる。その結果、未来を変えることができます。それを目指すのが、SDGsなのです」という門川さんの言葉に、大きくうなずくお子さんたち。ゲームで2つの世界を体験したことにより、SDGsの本質を理解できた様子です。

ワークショップでは、SDGsの概念をウェディングケーキのモデルを使って解説。ケーキの土台に「環境(水、森林、海洋資源、気候変動など)」があり、その上に「社会(貧困、飢餓、健康、教育、まちづくりなど)」、「経済(働き方、イノベーション、生産/消費方法など)」と続いて、頂上にあるのが「パートナーシップ」です。

「パートナーシップ、つまり今日のようにみんなで協力して目標を達成していくことこそが、SDGsの重要なポイントです」と門川さん。「SDGsの目標は、全部で17個あります。一つひとつの内容は、ぜひみなさんで調べてみてください。自分と関わりのあるテーマが必ずあるはずです。今回の体験をもとに、未来のために何ができるのかを考え、行動を変える一歩を踏み出してみましょう」

最後を締めくくるその言葉と、互いのチームを称える大きな拍手に包まれて、90分のワークショップは終了。ご参加のみなさまには、海から回収したプラスチックで作られた「海洋プラスチックボールペン」(パイロット社製)を進呈させていただきました。

イベントを通じてポジティブな輪を広げていく

小学生から大人まで本気で楽しめるSDGsカードゲーム『Get The Point』。このゲームで描かれた「クライシス」は、現実世界でも起きていることです。現に、地球が1年間に供給できる資源を人間が使い果たしてしまう日=「アースオーバーシュートデー」は年々早まっています。今年の分は、7月28日にすでに使い切ってしまいました。

これを「サステナブル」な世界へと転換させるためにも、私たち一人ひとりの意識と行動を変えていく必要があります。この日の体験が、みなさんにポジティブな変化をもたらす機会となれば幸いです。

METoA Ginzaでは、これからもSDGsや共創をテーマとした楽しいイベントを企画してまいります。ぜひご期待ください。

イベント当日のご参加いただいた方の様子を動画でご覧いただけます

最後に、「共創ライブ#4」にご来場のみなさまのお声をご紹介します

会場では、ご来場のみなさまにアンケートを実施いたしました。「SDGsを自然に学べた」「人と協力してゴールを目指すのが面白い」「日常生活で出来ることに取り組みたい」などたくさんのご回答、「とても満足」との高評価をいただいております。ここでは、いくつかを抜粋してご紹介しましょう。

[18歳以下の方の回答]

【質問1】共創ライブ#4に参加されたご感想をお聞かせください。

わかりやすかった。楽しくて記憶にも残る。
(18歳未満 女性)

とても分かりやすい形式のイベントでよかったと思います。
(18歳未満 男性)

SDGsについて詳しく知ることができた。楽しかった。協力が必要ということが分かった。
(18歳未満 女性)

SDGsのことについて知ることができた。
(18歳未満 男性)

環境についてよく知れたので良かったです。
(18歳未満 女性)

【質問2】 SDGsやサステナブルな社会について、本日のカードゲームに参加して分かったことを教えてください。

みんなで協力して、地球を大切にしなきゃいけないことがわかりました。
(18歳未満 女性)

資源の重要性がよくわかり、未来のために大切に使っていくことが必要なのだと思いました。
(18歳未満 男性)

みんなで協力して、目標を達成することが大切だと感じました。
(18歳未満 女性)

今地球が滅亡に向かっていて、それを止めるために人がそれぞれの豊さではなく、みんなの豊かさを目標として工夫していくことが大切だということが学べました。
(18歳未満 男性)

みんながどんどん資源などを使っていくと、なくなってしまって大変だということを知りました。
(18歳未満 女性)

[18歳以上の方の回答]

【質問1】共創ライブ#4に参加されたご感想をお聞かせください。

楽しかった。SDGsのココロを自然に学ぶことが出来た。
(46~55歳 性別を回答しない)

SDGsを分かりやすく楽しく学べた。小さなお子さんに体験してもらいたい。
(26~35歳 男性)

みんなで協力しあって資源の利用を考えていくと事を体験できてよかったです。
(46~55歳 女性)

説明が子供にもわかりやすかったです。時間配分もちょうどよかったです。
(36~45歳 女性)

楽しくプレイさせていただき、初対面の方とも仲良くなれましたし、何よりSDGsについてとても分かりやすく学べました。
(26~35歳 女性)

【質問2】ワークショップに参加前と後で、SDGsについての考えに何か変化があれば教えてください

大きな概念のようものは理解していたつもりですが、こうして自分事として考えられて楽しかったです。
(26~35歳 女性)

目標を持ちそのために自分の行動を変えていくことが、とても大切だということにゲームを通じて体感することができました。
(36~45歳 女性)

漠然と理解していたSDGsについて、根本の考え方を知ることができ、重要度が高く感じられるようになった。
(18~25歳 女性)

今以上、日々の生活を見直しながら地球にやさしい(子供達の未来のためにも)リサイクルなどに取り組もうと思いました。
(46~55歳 女性)

限りある資源を大切にしていく事はわかっているけれど、ゲームを通して、協力して行動する事が未来につなげていくことになるのがわかりました。
(36~45歳 女性)

【質問3】今回ワークショップにてゲーム形式で体験いただいてどのように感じられましたでしょうか。

とても分かりやすくて、本当に楽しかったです!
(26~35歳 女性)

1回目と2回目で全く違うゲームのように感じられたことが、とても新鮮でした。楽しみながら参加できてよかったです。
(36~45歳 女性)

ゲームだからこそ、失敗したら戻ることが出来る。見直しすることの大切さを感じました。
(46~55歳 女性)

実際に「こうなる」というとこが実感できた。言葉、文章だけでは伝わらない、伝わりにくいことがよく伝えられる素晴らしい内容だったと思います。
(36~45歳 男性)

考えながら楽しむことで、気が付いたら理解できていて感動した。
(18~25歳 女性)

【質問4】三菱電機がSDGsのワークショップを開催することについて感想をお聞かせください。

子供たちが楽しんで難しい事を学べるので参加型のこのかたちを続けてください。
(36~45歳 性別を回答しない)

次世代を担う若い世代も対象に、必要性を説くことが本当に素晴らしいと思いました!ありがとうございました!
(18~25歳 女性)

学校などで子供達が体感できたら素晴らしいと思いました。
(46~55歳 女性)

これからもぜひ続けていってほしいです。ありがとうございました。
(36~45歳 女性)

大変よい取り組みだと思います。また参加したいです。ありがとうございました 。
(36~45歳 性別を回答しない)

ご参加いただいた方には、あらためて御礼申し上げます。
「共創ライブ#4」の模様は、METoA Ginza公式YouTubeチャンネルでもご覧いただけます。ぜひお楽しみください。