イベントレポート

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リサイクルとプラスチック問題を楽しく学んで考える
手作りミツロウワークショップを開催

2024年8月31日(土)

METoA Ginzaは夏休みシーズンのサステナビリティについて楽しく学べる場所として2つのワークショップを開催しました。第一弾の手作りミツロウラップワークショップでは、銀座で採取されたオリジナル蜜蝋を用いてミツロウラップを手作りしながら、プラスチックのごみ問題について参加された皆さまと考えることができました。

近年、海で漂流するプラスチックごみが大きな問題として取り上げられるのは、海洋生物の生命を危険に晒すだけでなくマイクロプラスチックとなり地球の環境にも大きな影響を及ぼすからです。中でも私たちが食品用に使っているラップフィルムは「ポリエチレン」などのプラスチックが原料となっています。しかし、家庭で使用したラップフィルムは可燃ごみと定義(容器包装リサイクル法)されているため、資源ゴミとして回収されずリサイクルができません。こうした社会課題解決のために注目されているのが繰り返し使えて環境に優しい“ミツロウラップ”です。

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プラスチックごみが及ぼす環境問題やミツロウラップが環境に優しい理由を説明してくださるのは、papaveriの武田絵理子さん。例えば一人あたり1日20cmの食品用ラップを使っているとしたら1ヶ月で6m、1年では72mにもなるのだとか。その一部でもミツロウラップに代替することが出来れば、環境への負担が軽くなりますね。
また、今回のワークショップで使用する蜜蝋は「銀座ミツバチプロジェクト」で採れたもの、柔らかさや密着度の調整には食用のココナツオイルや漢方に使われる松脂といった全て口に入っても問題ない素材ばかりです。

ミツロウラップの特徴と使い方の説明を聞いた後はいよいよミツロウラップ作りです。用意された布はコットンや麻などの天然素材で、土に還るものです。アイロンで蜜蝋をゆっくり溶かしながら布に染みこませていき、均等になったら温かいうちに乾かして出来上がりです。

ミツロウラップは手であたためると柔らかくなって色んな容器にフィットするので、残り物が入った器に蓋をしたり野菜を包んでの保存に適しています。蜜蝋には天然の抗菌性と保湿性があるので食品の鮮度を保ちます。使い終わったら、食器と同じように洗って乾かせばまた繰り返し使うことができます。毎日使っていると蜜蝋が薄くなり保存性が落ちますが、クッキングシートで挟んでアイロンを掛けたり再コーティングすることで長く使えるのだそうです。

出来上がったミツロウラップはpapaveriさんがこだわって選ばれた蝋引袋に入れてお渡しします。耐油・耐水性に優れているので、ミツロウラップで包みづらいナッツ類やお菓子、野菜などの保存袋として再利用できます。

このワークショップに参加してくださった方々がリサイクルや脱プラスチックについて考えるきっかけの一つになれば幸いです。ご参加いただいたみなさまには、あらためて厚くお礼を申し上げます。

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