


「しゃべり描きUI」は、CEATEC AWARD 2016の『暮らしと家でつながるイノベーション部門』においてグランプリを受賞しました。
利用イメージ

聴覚障がいを持つ子どもが、お絵描きをしながら親と会話

旅行先で購入したいお土産の絵を描き、売っているお店の場所を尋ねる

医師が、耳の不自由な高齢者にレントゲン写真を表示しながら説明

観光客が、行きたいところの写真を見せながら所要時間を尋ねる

イベント会場などで、聴覚障がいのスタッフが外国人を座席まで案内

役所で、外国人に書類の記入方法を伝えたり質問を受けたりする
「しゃべり描き UI」開発の背景
コミュニケーションの壁を、UI(User Interface)の力で壁を乗り越えたい
耳の不自由な方は、指さしながら説明されても説明している人の唇の動きと指先を同時に見ることができないので、話を理解するのが難しいという課題がありました。また、筆談ボードを使うと、文字とお絵かきを組み合わせて表現することにより、耳の不自由な方や外国人とコミュニケーションがとれるという特徴があります。このふたつに着目し、話した言葉を指先に表示し、文字とお絵かきを組み合わせて表現できる次世代コミュニケーション技術「しゃべり描きUI」を開発しました。
アプリを作る上で大切にしたのは、直感的で気持ちの良い操作感、そしてしゃべり描きUIによって生まれる人と人のあたたかい繋がりです。

三菱電機 デザイン研究所
インターフェースデザイン部
平井 正人
耳の不自由なインターン生との出会いから、デザイナーの自主研究プロジェクトが発足
三菱電機らしくないこのアプリは、様々な専門領域のデザイナーによる自主研究プロジェクトから生まれました。きっかけは、耳の不自由なインターン生との出会いです。「もっと話したい」そんな想いから、自主研究プロジェクトが始まりました。
最初の想いを最後まで大切にしながらプロジェクトを進め、耳が聞こえないという「障がいの壁」だけでなく、言語が異なるという「国境の壁」も乗り越えられる、人と人の気持ちが繋がるコミュニケーション技術が完成しました。
今までにない新しいUIの実現、応用展開の広さや有効性などが評価されて、CEATEC AWARD 2016でグランプリを受賞しました。(暮らしと家でつながるイノベーション部門)