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ようこそ「 HOPE FOR UNIVERSE 」の世界へ
エントランスは開発者が宙(そら)へと
想いを馳せる様子をモチーフにしたオブジェ
感性ライティング 「光のいけばな」
アーティストで京都大学教授の土佐尚子氏が、ガラスの屈折・反射と三菱電機のライティング技術を組み合わせ、木もれ日や、水面のきらめきのような、自然の光がもつ「ゆらぎ」を表現しました。癒しのあかりを、ご体感ください。
「光のいけばな」コンセプト
建築家アントニ・ガウディの作品「サグラダ・ファミリア」の尖塔の設計に重力でつりさがる砂袋の形状を用いたことをヒントに、800℃のガラスを銅の型に乗せ、重力で垂れ下がらせてSound of Ikebanaの形状に似せてガラス作品を作った。これにライティング技術を組み合わせたのが「光のいけばな」である。
Sound of Ikebana
音波振動と液体から生まれる造形をアートにした土佐尚子氏の作品
「光のいけばな」制作の様子
800℃のガラスを銅の型に乗せ、重力で垂れ下がらせる様子
METoA Cafe & Kitchen「HOPE FOR UNIVERSE 」をイメージしたコラボメニューを味わって!
Shop今回のイベントテーマにちなんでセレクトしたアイテムを紹介!
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宇宙開発プロジェクトから心を動かすあかりまで。
開発者のものづくりスピリットを感じてみよう。
宇宙ゾーン
「ミッション成功率100%」
日本初の補給機は、こうして生まれた。
約30年の日々を乗り越えた、チームこうのとり*の飽くなき挑戦
国際宇宙ステーション(ISS)に、食料や実験装置などの物資を届ける宇宙ステーション補給機「こうのとり」。
9機連続で任務をすべて成功させたその開発の裏側には、
日本の宇宙技術を世界へ証明した、チームこうのとりの試行錯誤と、苦労を積み重ねた挑戦の物語があった。
*「こうのとり」プロジェクトには三菱電機、三菱重工ほか、数多くの企業が参画。三菱電機は「こうのとり」の頭脳である電気モジュールの開発とJAXAつくば宇宙センターに設置されたこうのとり運用システムの開発等を担当しました。
天井に映し出された「こうのとり」を体の動きで操作して、国際宇宙ステーションとのランデブ・ドッキングを成功させてください。あなたは無事にミッションを遂行できるかな?
国際宇宙ステーション(ISS)に
物資を届けたい。
こうのとり初号機打上げまでの
約30年の道のり。
「経験のない日本にできるのか?」世界からはそんな声も囁かれる中、開発者たちは長く険しい道のりを諦めず挑み続けた。スペースシャトルによるSFU*の回収、きく7号(おりひめ・ひこぼし)によるランデブ・ドッキング、USERS**による大気圏再突入・海上回収は、30年にわたる技術開発の成果の貴重な実証の場となり、ISSへ物資を届けたり、不要なものを廃棄する「こうのとり」のミッション達成の礎となった。
*SFU:"Space Flyer Unit"
**USERS:"Unmanned Space Experiment Recovery System"
ステップ1
「宇宙実験・観測フリーフライヤ」(SFU)
遠方ランデブ技術を確立
SFUを宇宙の特定場所まで移動させた後、静止し、回収することに成功した。これは、こうのとりが打ち上げ後、ISSに接近する技術に活かされている。
ステップ2
きく7号(おりひめ/ひこぼし)
近傍ランデブ・ドッキング技術を確立
待機している「おりひめ」に「ひこぼし」を近づけてドッキングさせることに成功。これは、ISSがキャプチャできる位置まで、こうのとりを移動・静止させる技術に活かされている。
ステップ3
次世代型無人宇宙実験システム(USERS)
再突入技術・海上回収技術を確立
実験試料を積んだカプセルを大気圏に再突入させ、海上の所定の場所へ着水・回収することに成功した。これは、こうのとりがISSのゴミや不要となった物資などを積み、機体ごと大気圏へ突入し、所定の海域に落下して任務を終える、というミッションに活かされている。
NASAからの、1,000の要求に挑む。
困難を極めたのがNASAからの有人安全技術への要求だった。実績のない日本に突きつけられた、1,000を超える要求。だが、開発者たちは、絶対に宇宙ステーションに衝突させないために膨大な作業に実直に向き合い、全ての安全要求を満たした。そこから生まれた日本独自の「下方から近づくランデブ・キャプチャ方式」は、のちに世界基準のひとつとなった。
NASAが求めた有人安全技術
「ひとつの故障が起こってもISSに正常に接近していけること。
2つの故障が起きても、ISSにぶつからないこと。」これがNASAが求めた有人安全技術の概念だった。当時の日本にとっては厳しい要求だった。
1,000を超える課題に向き合う
安全基準を満たすために、NASAから1,000件以上の指摘、数百の課題に直面。
その課題を解決するために、2,500以上の運用手順を設定、さらに100回以上の訓練を通じ、有人安全技術を確立した。
「初号機のミッション完遂」
世界が認めた日本の宇宙技術。
8日間に及ぶ安全飛行実証テストを積み重ね、ついに初めてのランデブ・キャプチャへ。ISSに迫るこうのとりを、開発者たちは管制室から固唾をのんで見守った。宇宙飛行士が操作するISSのロボットアームがこうのとりを無事につかんだ瞬間、管制室は歓喜の渦に包まれた。日本の宇宙技術に対する世界の見方が、大きく変わった歴史的な瞬間だった。
日本の独自技術
ランデブ・キャプチャ方式
秒速7.8kmの超高速で飛ぶ ISS に「こうのとり」を下方からぴったり並走させながら接近させ、定位置に到着した後、ISSの宇宙飛行士がロボットアームで「こうのとり」を捕える方式。
世界からの評価と信頼を高めた
初号機のミッション成功によって、日本の宇宙技術が世界に認められた瞬間。このときに実証したランデブ・キャプチャ方式は、世界のスタンダードのひとつとなった。
許されない失敗。
プレッシャーとの戦い。
すべてのミッションを終えるこうのとり9号機の成功に、開発者たちは安堵した。
9機連続成功までには、「成功して当たり前」という多くのプレッシャーとの戦いだった。しかし、量産品質を安定させるための技術継承や、新たな技術の採用によって、チームこうのとりの絆はより深くなり、数々のプレッシャーを乗り越えた。そして、量産機全てのミッションを連続成功させた、日本の安定した品質は、世界の信頼を獲得し、開発者の誇りとなった。
品質を安定させるための挑戦
2号機から9号機まで、宇宙機を「量産」する。
「量産」に求められる高い品質とその品質を維持するために、チームこうのとりは一丸となって開発に取り組んだ。
連続成功を支えた技術継承
初号機開発から10年以上にわたる量産機開発は、世代交代を伴った。ミッションの連続成功の背景として、マニュアルを過信することなく、図面に書ききれない「人に宿る経験」を、世代を超えて共有できたことが大きかった。
行こう、進化の先へ。
新型宇宙ステーション補給機、HTV-X。
こうのとりで培った技術を活かし、さらに進化した補給機「HTV-X」。
「こうのとり」より重い荷物を運べる他、輸送中も電源が必要な冷凍庫や実験装置などが運べるようにもなります。また月・惑星探査などの未来につなげる宇宙船として、HTV-Xで実証された技術が活かされます。
「こうのとり」の成功は、
さらなる技術と挑戦のはじまり。
探査技術は次のステージへ。
SLIMによる高精度月着陸の実現。
SLIM*は、月面の狙った場所へのピンポイント着陸を目指す着陸実証機です。小型・軽量な機体が特徴です。
三菱電機は着陸機のシステム開発及び製造を担当し、運用の支援も実施します。
*SLIM: Smart Lander for Investigating Moon
惑星形成の謎を解明せよ。
MMXによる期待のミッション。
火星の衛星に着陸し石や砂を採取。2029年に地球に持ち帰る計画「MMX*」。探査機システムの設計及び製造、また地球帰還までの軌道上運用技術支援を三菱電機が担当します。
*MMX : Martian Moons eXploration
宙の光ゾーン
心に光を灯す、癒しのあかり。
「感性ライティング」
ガラスの屈折・反射とライティング技術を組み合わせて「ゆらぎ」の光をとりだす「感性ライティング」。それは照らすための光ではなく、木もれ日や、水面のきらめきのように、人の心を癒す自然の光。
三菱電機と京都大学の共同研究による新たな光の可能性をご体験ください。
感性ライティング 「光のテーブル」
ゆらぎの光が感性に語りかける
ガラスのオブジェと三菱電機のライティング技術を使って、「自然の光のゆらぎ」を人工的に生み出す。
「光のテーブル」コンセプト
古来、人々は火を囲んで会話をしていた。
キャンドルや、焚き火は、照明でもあった。
日陰翳礼讃の影のゆらぎが感性に語りかける「光のテーブル」。
影と光の屈折の揺らぎの絶妙なコンビネーションこそが私たちを心地よくさせてくれる。白は銀河、オレンジは太陽、青は地球を表している。テーブルの中の心地よい光を見ながらコミュニケーションをすれば、ポジティブな和やかな対話ができる。
「人に癒しを与える照明をつくりたい」
「人は何に癒されるのだろう?」
この問いから連想したのは「木漏れ日」や「水面で揺れる光」など「ゆらぎ」のある自然の光。
そこで、人が快適に感じる光を得るために「ゆらぎ」を表現する照明をつくりたいと思いました。
ー三菱電機先端技術総合研究所 桑田宗晴
「陰翳礼讃な灯りのしぐさを
見つけること」
灯りは、人類の知恵です。最初は、火だった。当時の火は、食べ物を焼いたり、囲んでコミュニケーションをとることができる新しいテクノロジーでした。現代において、人々のコミュニケーションに欠かせないものは、テーブルです。火に見立てた、陰影から生まれる灯りのしぐさ(ゆらぎ)を与えられた「光のテーブル」は、より豊かなコミュニケーション空間を、創作します。
ー京都大学大学院総合生存学館 アートイノベーション産学共同講座教授 土佐尚子
「照明は生きるためのテクノロジー」
空気や水、食べ物などの品質が重要であるのと同じように、光にも「質」が求められるようになると考えています。だからこそ、心を癒せるような質の光を実現することはすごく重要です。
ー三菱電機先端技術総合研究所 桑田宗晴
これからの光は、暗いところを明るくするための技術だけではなく、人々の心を変える、心を照らす、生きるためのテクノロジーになると思います。
ー京都大学大学院総合生存学館 アートイノベーション産学共同講座教授 土佐尚子
室内を照らす、空の光。
「misola」誕生物語。
奥行きのある青空を模したパネルと、太陽光の差し込みを表現する独自構造のフレーム。そして、自然界の青空と同じ「レイリー散乱」を用いて、青空を人工的に再現したLED照明「misola」。開発者たちの強い想いと、試行錯誤の連続から生まれた「自然の青空」をご体験ください。
青空を模擬した照明の人に与える心理的・生理的影響の調査
慶應義塾大学と三菱電機先端技術総合研究所の共同研究で、青空を模擬した照明の人に与える影響を調査しました。照明環境を初めて見た時の印象を、アンケートで5段階の尺度で評価。
「安らぐ」「穏やかになる」「リラックス」という項目において、misolaがある照明環境が優位な結果になったことから、misolaを見ることで心理的にリラックスできることがわかりました。
暗く閉鎖的な空間で過ごす人たちに、
自然の光を届けたい
「空の光を再現する」挑戦は、光で暮らしをもっと豊かにしたい、という、開発者たちの想いがきっかけでした。
空の色は、太陽の光が地球をおおう大気にぶつかって、散らされることで生まれます。その時、太陽の光の中に含まれる、青色がもっとも散乱されるため、その色が私たちの目に届くのです。
「どんな場所にいても、空の光を届けたい」その想いを実現するために、数々の試行錯誤と困難を乗り越え、私たちはついに、「空」を忠実に再現する技術を生み出したのです。
こうして誕生したのが、この「misola」です。
私たちは、この「空の光」がこれからも多くの人々の心を照らし続けることを、願っています。